『コンドーム』
1. 筆下ろし ー あっ…ごめん…付けたら出ちゃった。 ー
この記事を開いてしまったあなた、
そうそこのあなたです。
コンドームを使用したことはありますか。
ていうかコンドームがなんだかわかりますか。
Mr.Childrenの『隔たり』を聞いたことありますか。
“たった0.05ミリ”が時代遅れなこともわかりますか。
僕がこの記事を書いている理由は分からなくて良いですから、ちょっと騙されたと思って最後まで読んでみて下さい。
2. コンドームとは(性的知識貧困層に贈るクソみたいな大事な雑学)
性行為時に性感染症や妊娠を避けるために男性が装着するゴム製の避妊具のことを指します。リング状のゴム部分に薄いゴムで成形された”カバー”部分が付いております。先端に突起のあるものないものがあり、先端に突起がある場合はその日の「収穫量」を目視しやすいです。
また童貞あるあるですが、装着方向を間違えるとうまく息子を覆うことができずに、愛し合う前に「あっ、ごめん…うまく付けられなかった…」なんて醜態を相手に晒すことになります。え?愛はなかったって?それも良いと思います。
メーカーによっては表と裏(女性側と男性側)がパッケージに記載されていて装着の手助けになるものもありますが、基本的には手の感触で確かめられるかと思います。暗闇の中でも手探りで突起部分を探したりリング状の部分にカバー部分がどう巻きついているか確認したりすれば装着可能です。童貞必見です。
大体のコンドームは一箱あたり12個か6個入り、オカモトの0.01ミリは確か3個、無印良品は4個。
(無印良品のコンドーム、使ってみたいですね)
経済的に優しいのは薬局やドンキホーテで売られている12個入りの箱が2箱とか3箱セットになっているものですね。無印良品のコンドーム、使ってみたいですね。
補足ですがラヴホテェルには必ず枕元にコンドームが2、3枚置いてあります。やだなあ実体験に基づく調査結果じゃないですよ。ただし稀に心無いスタッフによって破かれている若しくは穴が開けられていることがあるそうなので、不安な方はコンドームを持参しましょう。あ、バナナはコンドームに入ります。
最近では女性が装着するコンドームというのも登場しているのをごぞんぢだろうか。あ、ご存知だろうか。女性用コンドームは女性の外陰部と膣壁を覆う形状をしている。が、装着の難しさや外見、密着感のなさ、違和感などで不評です。一度くらいは使ってみたいですね。
さてここまではコンドームについての情報。
3. 『コンドーム』という概念の話
〜 冷暗所で保管しているローションを添えて 〜
それでは次は『コンドーム』という概念の話に移りましょうか。
コンドームの語源は、医師・コンドームの名前から来ているという説と、フランスの地名・コンドンにあるという説があるが、そのような医師が存在したかは不明である。
(Wikipediaより引用)
これを踏まえても踏まえなくてもコンドーム(Condom)というのは…
ごめんなさい、もう、ちょっと書くことないので次に移りましょう。
4. 伝えたいこと、頭の先から浴びてほしい(白い)もの
コンドーム。
ただの避妊具だと、
そうお思いではないでしょうか。
しかしあの見た目からは想像できない程の伸縮性があります。
試しにコンドームを水道管に被せて蛇口を思い切り捻ってみてください。体積が何倍にも膨れ上がります。
迷惑行為なので実際にはやらないで欲しいですが、車を運転している時に窓の外で進行方向に向かってコンドームを開くと、まるでシャボン玉のように広がるようです。
頭に被ってみたことはありますか。余裕で頭を覆い隠す程の伸縮性があります。ただしリング状の部分の伸縮性は他の部分に比べて低いので、頭頂部から耳のあたりに到達するまでにリング状の部分が破損する可能性はあります。気をつけてください。
どうでしょうこのコンドーム知識。男子校の学生の本気を舐めたらダメですよ。
ここまで読んでくださった方々に悲報です。
つまりコンドームはただの避妊具です。そう思っていてなにも間違いはありません。
しかしまあそれ以上に伝えたいことがあるからこの記事を書いているわけです。
決して永遠の隣人に「なんかお題出してよ!」と言ってランダムに決めたお題で自由作文してるわけじゃないです。
結局何が言いたいかというと、避妊具の装着は非常に大事であるということです。当たり前ですね。
チャリンコに乗る方、寒い日に手袋をするに越したことはありませんよね。
原付に乗る方、寒い日に手袋やマフラー、スヌード、ネックウォーマーは欠かせませんよね。
しかし「俺は寒いのが良いんだ!凍えると興奮するんだ!!」って方にはこの理論が通じないどころか性癖を全面否定してしまい、非礼に値するので別の例を考えてみます。
公共施設のトイレで用を足したあと水を流さない人って、どう思いますか。
ジェットコースターに乗るときに頑なにバーを降ろさない人って、どう思いますか。
いや別に、自宅で用を足したあとに水を流さない性癖の方はいつかトイレがビシャビシャになるだけですし、ジェットコースターでバーを降ろさない人は敢え無くあの世にふっ飛んでいくだけなんですが、要は他人に迷惑をかけますよね。それを人はマナー違反と言います。
敢えて「最近の人は」なんて誰か薄っぺらい人のエッセイから切り取って貼り付けたみたいな言い回しは避けて言いますが、今も昔も勘違いしている人が一定数存在していると思います。なにを?
「マナー違反だあ?俺の勝手だろ!」とか「俺の自由だろ!」とか、勘違いしてるんです。確かにマナーを破っても捕まりません。でもなんで捕まらないか、わかりますか。
そんな勘違いをしている方々には是非とも自由と自律の関係性について一度でいいから熟考していただきたい。
5. コンドームとは自律である
あなたが性行為時に装着しているのは自律なのです。いいえ、前立腺の話はしてません。「社会で生きていく」ということはどういうことなのか、学生であれば一度くらいは考えてほしいものです。僕が今まで学んできた教養を基に考えると「社会で生きていく」ということは、「その社会の中で形成された規範を内面に取り込んで自分のものにして自律して生きていく」ことであります。つまり「社会の中をコンドーム をして練り歩く」ということ。あ、いや。前立腺はお腹側です。
難しい言葉を使うってアホっぽいと思います。簡単な言葉を使って真理をズバァッ!と指し示せる人こそ頭良いって僕は思います。そんな勢いで突っ込んだら痔になります。
じゃあもっかい、簡単に言い直しましょうか。「社会で生きていく」ということは「周りの人に邪魔されないようにずる賢く生きていく」ということだと思います。僕の伝授した掘り堀りマニュアルに従ったらけつの穴がズルズルになったって相談は受け付けません。
小さい頃に親御さんや先生から怒られた記憶を遡ってみてください。お尻叩かれて興奮したなんて、そんな話はお蔵入りです。
6. 怒られた記憶 ー 僕の場合
あれは確か小学5年生の頃だったかな。
教室の一角にあったテレビの後ろに僕は友達と二人で陣取りをして、給食当番が御膳を下げに行った後掃除の時間が始まるまでメガホンを手に取って色んなことを好き放題話していた。
「うひょお〜!」
僕はこの頃からよく奇声をあげてました。
「廊下でオババ達が騒いでる〜!ババタリアン!!」
これは僕言ってません。隣にいたお調子者が言いました。でも誰だったか思い出せないから、僕にとってはのっぺらぼうなお調子者。
「うげげげげげげげっ!」
こんな風に奇声をあげていた僕がいじめられなかったのは奇跡でしょう。出る杭なのに打たれなかった。もうもはや刺さってなかったから打たれなかったのかも。
小学生とは言えど絡み方のわからないヘンタイは放置するようで、僕ら二人はテレビの裏で孤独に奇声をあげ続けて掃除の時間を迎えたっけ。
その日の帰りの会でのこと。いつも通り先生が聞く。
「なにか言いたいことがある人はいますか」
いつも笑顔でエネルギッシュな先生はいつだって僕らにまっすぐな視線を向けていて。それがたまに重かったりして。
不意に視界の端ですっとあがる手があった。恐る恐る目をやると、なぜかある女の子が僕の方を潤んだ目で見ているんだ。なにやら不穏な雰囲気。
「はい、Aちゃん」
すくっと立ち上がったAちゃん。そんな顔で僕を見ないでおくれ。
「掃除の時間の前、私たちのことを”ババタリアン”って呼んだ人がいました、そーゆーのやめてほしいです」
それ、のっぺらぼうが言ったやつだ。
「Gくん」
いや、だからさ、のっぺらぼうに言ってよ。
「Gくん、そんなこと言ったのか?」
「いいえ、僕は言っていません」
小学生ながらに共犯者を庇うマナーはあったようで、僕は自分の無罪を主張することに専念する。
「うそだ、言ったもん。聞いたもん、Gくんの声だった」
「言ってないんだったら聞こえないよな、Gくん」
小学校という社会は不公平なのである。そんな主張をするのであれば証拠を持って来い。目撃者はいたのか。録音でもしたのか。画像でもあるのか。誰がその事実を立証するんだ。
ー ブチッ
切れるわけないくらい太いゴムが切れるような音が頭の中に響く。今でもたまに僕の頭の中のゴムは切れることがある。あと何本残っているんだろう。
「そうですか」
唇が乾燥しているのに構わずに口を開けたので唇が少し避けて血の味がした。
「記憶にはありませんが、そう言ってしまったのであれば謝ります、申し訳ありませんでした」
「…どこかの政治家みたいだな、あははは」
先生、あなたが笑ってくれたおかげで僕は少し救われました。
その日の記憶はそれしかないが、無罪の僕が責められているのに助け舟を出すことをしなかったのっぺらぼうのことも涙を武器に僕を責め立てた彼女のことも、その涙に屈して僕に謝罪を強要した先生のことも、もうなにも思わなかったのだけは覚えている。きっとその日に、僕は諦めてしまったんだろう。
あ、いやこれ別に自由な話には関係ないです。
特に意味もないです。
7. 呼吸をするように嘘をついて、ずる賢く生きる
題名の前半部分は無視してください。最近気に入ってるフレーズです。「呼吸をするように嘘をつく」ってなんか良いですよね。
周りの人に色んなことを考えさせて悩ませて、その思考の末にいざ選択すべき答えが出たから擦り合わせしよう答え合わせしようと話に来てくれた相手に「ごめん、あれ特に意味無かったんだわ。気にしないで」っていう。そんな狂わしい人と会ってみたい。あと絶対に笑わない人、二人きりになっても笑わない人、素にならない人に会ってみたい。そんな話はまた今度します。
僕最近ある試みをしてるんです。
バイトで面倒を見ている生徒たちに「自由」を擦り込もうとしてます。謂わば洗脳作業です。
「大きな声を出して騒いでたら怒られるのは当たり前だよね。じゃあどうすればいい?」
「携帯を机の上に出していじっていたら没収されても文句は言えないよね。じゃあどうする?」
「怒られるとわかってて怒られることをするのってどうかな。賢い?」
バレなきゃどんなことをしてもいい、なんてことは言ってません。でもバレなきゃ、ある程度のことはしてもいい。
聞く価値のない授業を聞いているよりも自習した方がいい時ってあります。どうしても親に授業が終わる時間を連絡しなきゃいけない時もあります。無心に遊びたい時だってあります。でもだからって社会の風紀を乱していいとは限りません。だからそんな時は、うまくやるんです。それこそが賢いということです。
小学生の生徒を一回持ってみてほしい。彼らの知的好奇心は半端じゃありません。そして彼らの知的好奇心に応えられない大人に対して冷酷です。『大人』なんていないことを知らない彼らには伸び代があるんです。そんな彼らが「ああ、こんな具合で済ませれば丁度いいのか」って思って思考を止める瞬間を先延ばしにするのが僕の仕事かと思います。彼らに自由を教えてあげる。つまり、彼らにコンドーム をかぶせてあげるということです。コンドーム を被って生きることが賢く生きるということで、呼吸をするように嘘をつくということです。
かん
とん
ほう
けい
〜 終 〜